神の国ネパールには、宗教に基づいた独自の文化が息づいています。
特に、9月に行われる「インドラジャトラ」というお祭りのときには、その独特の文化が表れています。
祭りでは、クマリと呼ばれる生きた女神が山車に乗り、カトマンドゥの町を巡り人々の繁栄と成功の力を授けます。国内の幼い少女のなかから、厳しい条件を通過した者がクマリとして選ばれ、数年にわたりその務めを果たします。
クマリは王室の守護神である女神の生まれ変わりとされ、絶大な信仰の対象となっています。年に一度、この祭りのときにだけ姿を見せる女神を一目見ようと、ネパール各地から多くの人が集まります。
ネパールには4つの世界遺産があります。
「カトマンズ盆地」にある首都カトマンズは、家屋よりも寺院のほうが多いと言われています。古くからの石造りの小道や聖堂などもあり、ヒンドゥー教と仏教が共存する独自の文化が特徴です。ネパール南西部の小さな村「ルンビニ」は、仏陀生誕の聖地として有名で、多くの芸術的な寺院や僧院が見られます。手つかずの自然が残る「ロイヤル・チトワン国立公園」には、インドサイやベンガルタイガーなど希少な動物が生息しています。「サガルマータ国立公園」は世界一高いところにある国立公園で、『サガルマータ』はネパール語でエベレストを表します。
9月下旬から11月までは、トレッキングや登山のベストシーズンです。319種の花、600種の植物が育ち、500種の蝶、848種の鳥、500種の蝶が生息する「自然博物館」ネパール。トレッキングのコースもさまざまで、目的に合わせて、ハイキング程度のものから本格的な登山まで楽しむことができます。登山道具や装備はカトマンズで購入することもでき、レンタルサービスをしてくれる代理店もあります。世界最高峰の山々が連なるヒマラヤ山脈は、登山をされる方には憧れですね。
約11時間かけて雲上約8,000メートルを非行飛行する、迫力満点のマウンテンフライトのツアーもおすすめです。
ネパールの歴史に関する記録は、首都であるカトマンズのものが中心となっており、紀元前7、8世紀ごろから始まります。叙事詩マハーバーラタにも見られるほどの「キラート王ヤランバ」の名前は特に有名です。近代まで、240年に渡り王が統治する国家であったネパールも、2008年にはついに民主連邦共和制となりました。
古都カトマンズは、アジアの都市のなかではそれほど大きくはありませんが、モダンな現代都市の様相もありながら、観光客が好む伝統文化を残した独特の雰囲気に満ちています。日本では、松本市がカトマンズの友好都市となっています。